Business to Social Project

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インタビュー

社会を前進させていくサービスに
主体的に関われる。
自分を成長させるフィールドが
NPOにはあると思います。

認定NPO法人カタリバ 代表理事 今村 久美

代表理事 今村 久美

認定NPO法人カタリバ
代表理事 今村 久美

Profile.

2001年に任意団体NPOカタリバを設立し、高校生のためのキャリア学習プログラム「カタリ場」を開始。2006年には法人格を取得し、全国約1,000の高校、約180,000人の高校生に「カタリ場」を提供してきた。2011年度は東日本大震災を受け、被災地域の放課後学校「コラボ・スクール」を発案。2011年7月に一校目の「女川向学館」を宮城県女川町で開校。同12月には、二校目の「大槌臨学舎」を岩手県大槌町で開校。被災地の子どもに対する継続的な支援を行っている。2008年「日経ウーマンオブザイヤー」受賞。2009年内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞。現在、中央教育審議会教育課程企画特別部会委員。

※ 2017年6月時点での肩書きです

カタリバを立ち上げた理由とは。

ちょっとだけ人生の先輩との対話から、
自分の未来を大きく広げていくことができる。
その感動を伝えたかった。

子どもたちが自分の未来に夢や希望を抱き、その可能性をどこまでも広げていけるような社会にしていきたい。そのために、進路や将来を考え始める学齢期の高校時代に、高校教員以外の、高校生にとっては人生の先輩となる年長者の人たちと関わることで、いろんな気づきが生まれ、視野を広げていけるのではないか。そんな発見のある出会いの場をつくろう。そんな想いから、カタリバはスタートしました。いまでこそ“チーム学校”といったテーマを掲げて、教員を中心に多様な専門性を持つスタッフを学校に配置するという動きがあるのですが、創業した2001年当時は、教員以外の大人が高校の中に入るというのは考えられない時代でした。私たちも最初は学校外でカタリバを実施することを想定していたのですが、それだと自分の未来に意欲的に行動する人しか参加しなくて、本当に葛藤して悩んでいる高校生に出会うことができない。何としても学校の中でカタリバを実現しようと、カタリバの構想に共感してくれる高校を訪問しました。最初は多くの学校に断られました。落ち込むこともありました。しかし私には、自分自身が大学に進学して多くの人からたくさんの気づきを得て、夢を大きく抱くことができた経験がありました。必ずや望んでいる高校生がいる。そういった強い想いに支えられ、動き続けた結果、千葉県の高校で最初のカタリバを実現することができました。嬉しかったですね。そこから事業を拡大することができて、いまに至ります。

起業のとき、NPOを選んだ理由とは。

社会を巻き込んで動いていく。
そんなNPOの動き方が、
実現したい世界にマッチしていました。

株式会社にするか、NPOにするか。カタリバを立ち上げるとき、あまり悩まず自然とNPOという形をとりましたが、いま冷静に考えても、株主の人たちが出資するという形で、自分たちが営利の追求を目的としてしまうと、解決しようとしている社会課題に本当に向き合えるのかといった不安はありました。というのも、カタリバの事業は、当時まだ課題として浮き彫りになっていない若者の葛藤を解決するために動き出していたので、儲かるか儲からないかという軸で判断すると、やりたいことを実現することはおそらく不可能でした。またビジネスとしてパブリックセクターである行政に提案したとしても、十分に予算を組んで教員を配置しているので問題はないと、断られてしまっていたと思います。それよりもまだ形にはなっていないけれど、若者が抱いている社会課題をどのように捉えて、解決していくことができるかという行政への働きかけが大事だったので、私はビジネスとパブリックの間に立って動くことのできる、ソーシャルセクターのNPOという立場を選びました。

どのような人材がNPOで活躍できると思いますか。

何か待つのではなく、
何かを自分でつくりだす。
そういった資質が大事だと思います。

一般企業と比べると、自己の裁量が多く、すべてを自分たちでつくっていく。それがNPOでの働き方だと思います。社会課題を解決し、実現したい世界を描くために、どういった行動が必要なのか、誰とパートナーを組めばいいのかなど、自分のスキルと頭と足と、ネットワークを最大限に駆使して行動していかなければいけません。目の前にないものを、求めるのではなく、自分でつくりだす。その作業にはとてもエネルギーを使うので、ポジティブであるといった要因も必要だと思います。普通に企業で働くよりも、多少の差はあると思いますが、NPOで働くことはハードです。例えばマーケティングといった仕事を例に挙げても、何千万の予算を事業から託されて、いかに有効に使うかというのではなく、その前段階の企画からプロジェクトに参加し、社会をよりよくするためにはどの手段が一番効果的かを考えていきます。そういったやりがいがあるのが、NPOの仕事です。大変なことがあっても、前向きに物事を捉えて、楽しんで仕事ができる。そういった資質があればNPOの仕事はとてもエキサイティングなものになります。なんていったって、自分たち以外、世界の誰もその課題に取り組んでいる人はいないのですから。

いまの時代にNPOに求められていると感じること。

人材育成の場として
NPOに期待が
集まっているのを感じています。

いま多くの人たちや企業が、NPOの動きに注目しています。そのぐらい社会でのインパクトが大きな存在になってきたのでしょう。そのような動きの中でいまNPOには人材育成力を求められているのではないかと私は思います。いい企業や団体は、人がチャレンジできるという人材育成機会を与えてくれます。そういった自己成長の機会提供の場として、特に若い人たちはNPOに期待しているのだと思います。例えばカタリバには、働いた後に学校の先生になったり、企業に転職してビジネスセクターの最前線で活躍する人や、個人事業主として独立する人など、さまざまな方がいます。リソースのない中で自らが先頭に立って、課題を解決するためのソリューションを組み立てる経験を数年間体験したからこその力が備わったためだと思います。たとえ1000円であったとしても、人から寄付をいただいたお金をどのように利用させていただくかは、毎回深く考えて実行します。金額に見合った価値を見出すサービスを社会に提供しないといけない。質を高めていこうとするその緊張感も成長を後押しする要因かもしれません。NPOにきたから、NPOの中だけで活躍するのではありません。自分のキャリアにとって、いろんなチャンスが広がっているのもNPOで働く魅力だと思います。今後ビジネスセクターで活躍された多くの方がNPOに参加されることを願っています。ともに社会をよりよくしていきましょう。

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